2024年2月13日、大分県にお住まいの廣安美代子さんの113歳の誕生日のお祝いに伺い、

ロンジェビクエスト日本リサーチ代表 山本優美がお話をお聞きしました。

廣安美代子さん(2024年2月13日撮影)

お誕生日のお祝いにお花のアレンジメントをプレゼントしたところ、廣安さんは「きれいね~。これは造花じゃなくて本物よね。この花は何かしら。珍しい、初めて見たわ」と、とても喜んでくださいました。

元美術教師の廣安さん。今でも絵を描くのがお好きということで、入所されているグループホームにも、廣安さんの描かれたお花の絵が飾ってあります。

 

廣安さんは、ご自身で新聞を購読されているそうで、毎日虫眼鏡を使ってたんねんに読んでいらっしゃるとのこと。

「挟まっているチラシも、全部読んでいますよ。もう、自分で買い物なんて行けないのにね(笑)」

施設のレクリエーションにはなんにでも積極的に参加され、歌も大好きだそう。

「毎日楽しいですよ。テレビを観たり、みなさんとトランプしたり、カルタ取りしたりね」

 

お体が丈夫で、風邪をひくこともほとんどないという廣安さん。

「小さいころから元気いっぱいで、どこにでもでかけていく子でしたよ。姉はよく学校休んでいたけど、私は学校を休んだことないの。やりたいことやって、おてんばさん。自由気まま。

もう、今は何歳でしたっけ? 113歳? まぁ~長生きですよね~。自分でも驚きます」

好きな食べ物をおききしたところ、「なんでも好きですよ、好き嫌いはないの」というお返事。

ちなみに、今回の誕生日の食事のリクエストは、「塩昆布ごはん」だったそうです。

 

今は何歳でしたっけ?」と年齢を確認する廣安さん。

 

廣安さんは大分に生まれ、姉妹の中で育ちました。

「小学校1年生のときからずーっと級長さんだったの。それが自慢のひとつ」

県立の女学校を出て、東京の美術学校に進んだそうです。

東京では、叔父さんの家に下宿していました。

「女中さんが二人もいてね、『お嬢様』って呼ばれてたの。祖母も同居していて、とっても厳しかったですね~。

夜、寝る前には必ずあいさつにいくの。ふすまをあけて、『おばあさま、おやすみあそばせ』って言うと、『お~や~す~み~』って」

おばあさまの低い声を真似して、私たちを笑わせてくれました。

 

卒業後は、広島の女学校で美術の教師をしていたそうです。

広島でご結婚され、3人のお子さんに恵まれました。

 

子どもの頃、手まりつきやなわとびをして遊んだこと。木に登ってみかんをとったこと。

住んでいた家の間取りや、庭のこと、掛け軸のこと。

女学校でお茶やお花、礼儀作法を習ったこと。

花火大会に行って、橋の上から花火を眺めたこと。

教師時代、新聞社が主宰する浴衣の図案コンテストに生徒たちを応募させたこと。など、など。

廣安さんのお話の上手さと、記憶力の細かさに、私たちは驚くばかりでした。

 

最後に、廣安さんに思い切ってリクエストしてみたことがあります。

実は施設のスタッフの方からの事前情報で、「廣安さんはときどき、イソップ物語の『きつねとぶどう』を英語でお話してくださる」と聞いていたのです。

「私たちにも、お話してくださいませんか」とお願いしてみると……。

「Once upon a time. one fox lived in countryside.

One day he went to the grape garden. He said, “this fruit is bad”.

My story is end.」

全員、拍手喝采でした。

女学校の学芸会のとき、英語で発表したのだそうです。それを今でも覚えていらっしゃるとは、本当に素晴らしい記憶力です。

 

イソップ童話を英語で披露してくださいました。

 

「体が丈夫だってことがなによりいいこと。なんでもおいしくいただいているし、よく眠れています。ここにいるみなさんがよくしてくださるし、私は幸せです。」と廣安さん。

別れ際に、「どうぞ、これからもお元気でいてくださいね」と言うと、

「みなさん体に気をつけて、けがしないでね、お腹をこわさないでね。お元気でいてね」と、廣安さんのほうからも私たちをいたわる言葉をかけてくださり、その優しいお気持ちに一同感激しました。

お会いできて、本当に嬉しかったです。

左から、ライターの臼井美伸、ロンジェビクエスト 日本リサーチ代表の山本優美、廣安美代子さん。

 

貴重なお話をたくさん聞かせていただいた廣安美代子さん、そして訪問を快く受け入れてくださった施設のスタッフの方々に心より感謝申し上げます。

写真:大橋弘嗣/文:臼井美伸